兵庫発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
加古川上流にある県東部の丹波市を旅する。 まずは山南地域の渓谷にある川代公園と、恐竜の化石が見られるちーたんの館へ。 続いて、江戸時代に陣屋が置かれた柏原地域や、氷上地域の植野記念美術館に立ち寄りながら北上。 丹波最北の青垣地域では、そばがおいしい道の駅や、紅葉に包まれた高源寺を訪ねる。 文/はるのいづみ
山陽新幹線新神戸駅は新幹線利用での神戸の玄関口。 駅周辺には、トヨタ、オリックス、タイムズカーレンタルなど各社の営業所がある。 基本的にコンパクトカーからワゴンまで、旅行のスタイルに合わせたレンタカーがそろっている。
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絶景ポイント 川代渓谷
篠山川に沿った東西約4キロの渓谷で、その崖の上を県道77号が走っている。 道の両側にソメイヨシノが植わっており、4月上旬〜中旬は桜のトンネルがいつくもできる。
太古の昔に篠山盆地から流れ出た篠山川が谷を削ってできたとされる川代渓谷の西端に、平成8年に完成。 奇岩怪石と清流、川岸のサクラやカエデが織り成す絶景を間近に楽しめ、ドライブの休憩にぴったりだ。 約6,500平方メートルの敷地内には、ジャンボ吊り橋や遊歩道、要予約・無料のキャンプ場とバーベキュー広場などがある。
トイレやキャンプサイトへは全長約90mのジャンボ吊り橋を渡らねばならず、ちょっとしたスリルが味わえる。 水辺まで下りると、岩の凹みにひっかかった小石が長い間、水によって回転してできたポットホールが見られる。
県道77号と渓流の間には500mほどの遊歩道が整備されている。 サクラ、サルスベリ、カエデなどが植栽されており、四季折々の景観が楽しめる。 ここから約700m下流には、恐竜の化石が発見された発掘現場がある。
平成18年8月に篠山川で恐竜の化石が発見されて以来、今も続く調査の様子や復元模型を展示紹介、化石のクリーニング作業も見られる施設。 現在、「丹波竜」の愛称で呼ばれる国内最大級の大型の植物食恐竜をはじめ、ティラノサウルス類や鎧竜類、テリジノサウルス類、ディノニコサウルス類、カエルなど様々な化石が見つかっており、1億1千万年前の世界がひも解かれようとしている。 写真手前は最新の調査結果をもとに復元された丹波竜の模型。
国内で展示される機会が非常に少ないガストニア(鎧竜類)の全身骨格レプリカを常設展示(写真右)。 写真左のファルカリウス(テリジノサウルス類)同様、丹波でも発見されている。 至近距離で見学でき、迫力満点だ。
丹波竜のマスコットキャラクター"ちーたん"のぬいぐるみやストラップ、ティラノサウルスやステゴサウルスのフィギュア(柔らかいビニール製)など恐竜グッズも買える。
江戸時代、1598年〜1650年の前期、1695年〜1871年の後期の2度に渡って織田家の城下町として栄えた柏原地域。 今も古い町並みの中に太鼓やぐらや陣屋跡などの史跡が残り、歴史散歩が楽しめる。 町を見下ろす入船山の山頂に鎮座するのは、中世に京都の石清水八幡宮の領地だった歴史を物語る柏原八幡神社。 その麓にそびえる巨木は、樹齢1,000年ともいわれる町のシンボルの大ケヤキだ。 根っこが幅6メートルの奥村川をまたいで伸びており、「木の根橋」と呼ばれ親しまれている。
正徳4年(1714)の造営以降、約200年に渡って藩政の舞台となった柏原藩陣屋跡。 創建当時の長屋門と文政3年(1820)再建の表御殿の一部が現存し、国史跡に指定されている。
万寿元年(1024)、石清水八幡宮の別宮として創建された柏原八幡神社。 「柏原の厄神さん」と呼び親しまれ、毎年2/17、18の厄除大祭は多くの参拝者で賑わう。 全国的にも珍しい神社境内にある三重塔や、丹波の名人石工が手掛けた狛犬も見どころ。
古代ギリシャ建築のイオニア式を基調とした神殿風の佇まいが、加古川畔の緑にひときわ映える市立美術館。 丹波市出身の実業家で美術品収集家だった故・植野藤次郎氏の発意により、(財)植野アジア芸術文化振興財団が建造、個人コレクション約1,000点とともに市に寄贈され、1994年に開館した。 外壁、内壁は総花崗岩で、高さ9.5mに及ぶ正面の石柱6本は継ぎ目のない1本の石でできている。 建物自体が美術品だ。
古典から現代、子ども向け、地域ゆかりのものまで、幅広い作品展を年数回実施。
ミュージアムショップでは、1970年代後半から80年代にかけて中国で生産された景徳鎮窯の白磁や龍泉窯の青磁などの磁器をはじめ、美術関連グッズを購入できる。 大きな窓が開放的な喫茶室もある。
絶景ポイント 清住コスモス畑
創建年不詳の古刹、達身寺がある清住地区では、9月下旬〜10月中旬、休耕田を埋め尽くすコスモス畑が見頃になる。 入園料300円。 清住コスモスまつりも開催される。
加古川の最上流に位置する丹波最北の地、青垣地域は、豊かな自然と清流に育まれた農産物が自慢。 直売所には、地域の農家が育てた旬の野菜、花、手作りジャムなどの加工品がずらりと並ぶ。 丹波栗は9月下旬〜10月下旬で、甘くて大粒の銀寄(ぎんよせ)という品種が有名。 黒豆の枝豆は10月上旬〜11月上旬。 独特の香りとピリッとした辛みが特徴の漬け物で知られるあざみ菜は、10月中旬〜3月下旬に収穫され、11月頃から新漬けが出回る。
名物は手打ちの二八そば。 打ちたて、湯がきたてとあって麺にコシがあり、野菜の優しい甘みを加えたかえしをサバやカツオなどのダシで割った特製つゆで食べると、まろやかな旨みが広がる。 サクサクの野菜天ぷら、青垣産コシヒカリのにぎり飯もおいしい。
敷地内にある丹波布伝承館では、国指定選択無形文化財である丹波布の歴史や道具、作品などを無料で見学できる。 観光客向けの糸紡ぎや草木染めの体験教室(要予約0795-80-5100)も実施。
三丹随一の紅葉の名所として知られる高源寺は、正中2年(1325)に遠谿祖雄(えんけいそゆう)禅師によって開かれた臨済宗中峰派の本山。 苔むした石段を上がるほどに険しくなる境内は、深山幽谷の趣をたたえ、遠谿の若き日の修行地である中国天目山の風景に似ているという。 山門や三重塔などの堂宇をすっぽりと包むモミジは、その天目山から持ち帰ったと伝わる天目楓をはじめ、約2,000本に及ぶ。 11月上旬〜中旬の紅葉はもちろん、新緑の頃も美しい。
天目楓は、切れ込みの深い小さめの葉と垂れた枝が特徴。 惣門から山門までの石段脇や方丈前など、現在約200本が脈々と命を受け継いでいる。
延暦寺の高僧、恵心僧都の作と伝わる本尊の釈迦如来坐像や、三国伝来の毘沙門天像をまつる三重塔はもちろん、方丈前にそびえる急勾配の石段も見どころ。 堅牢な石垣を土台に石段が組まれており、数百年経った今も崩れたところがない。
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東京湾アクアラインで海上を横断。 幻想的な亀岩の洞窟・濃溝の滝を観た後は、「まるはま」で南房総産の新鮮な海鮮浜焼きを堪能する。 そして、石仏のある日本寺を散策し、鋸山の山頂から「地獄」をのぞく。 温泉のあるかぢや旅館に到着後は、鋸山のふもとから湧き出るお湯で心身を癒す。
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