北海道発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
大正ロマンあふれる小樽運河を散策し、祝津の鰊番屋で歴史に想いを馳せる。 堺町通り商店街で新鮮な寿司を楽しんだ後は、地元の魚介が並ぶ南樽市場と道産ワインギャラリーで土産探し。 毛無山から見下ろす小樽全域と石狩湾の眺めを思い出に。 文/小林文恵
JR札幌駅から徒歩圏内でレンタカーを借りられる店舗は多数あり。 いずれも4人前後のコンパクトな車から8人定員のグループ旅行向きの車まで幅広く用意されている。 出発は札幌駅だが、帰りは新千歳空港近隣の店舗での乗り捨てが可能なレンタカー会社も多い。
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石造倉庫が立ち並ぶノスタルジックな雰囲気。 9年の歳月をかけて海岸を埋め立て、完成したのが大正12年。 当時は港に入る船と倉庫をむすぶ港湾施設として重要な役割を果たした。 今は、運河の一部を埋め立てた散策路は市民や観光客の憩いの場となっている。 「北運河」と呼ばれる北部には、作業船などの小型船が今でも渓流され、昔ながらの運河の風情が残る。
多くの観光客で賑わう「浅草橋」の周辺から運河沿いの一帯は、歴史的建造物や石造りの倉庫を利用したレトロなカフェやレストラン、ショップが軒を連ねる人気スポット。 ガス灯が灯る夕刻からは、ロマンチックな雰囲気も楽しめる。
春から秋にかけては小樽運河をボートでクルージングできる。 浅草橋を出航し、北運河を巡って浅草橋へと戻る約40分のコース。 船からの運河を楽しむのはいかが?
幕末から明治、大正にかけてニシン漁場として栄えた祝津には網元達が建てた多くの鰊御殿や鰊番屋などの歴史的建造物が残る。 中でも祝津の3大漁家と言われる青山家、茨木家、白鳥家の住宅や番屋は当時の場所に現存している。 2010年に修復された「茨木家中出張番屋」は、週末には内部が一般公開され見学できる(冬季閉館)。 同じ祝津にある「小樽市鰊御殿」や「小樽貴賓館」などと合わせて訪れたい。
茨木家中出張番屋は、網元である茨木家により明治45年に建てられ、船頭や漁夫などが住居として使用されていた。 長い間閉鎖されていたが、2010年に修復され、今は冬季を除く金、土、日曜の週末に一般公開されている。
漁夫が寝泊まりするネダイ(寝台)や、炊事、暖房、天井の煙出しなど、当時の漁夫たちの生活をうかがい知ることができる。 和風建築に西洋の技術が取り入れられているのも明治時代の建築物の特徴。詳しいガイドもしてもらえる。
大正初期に建てられた旧中山倉庫を改装して2013年にオープンした「小樽たけの寿司」。 小樽近海をはじめ、北海道沿岸で獲れる新鮮魚介のネタを使った本物の味を、手ごろな値段で楽しむことができる。 寿司以外の丼ものも豊富で、ランチタイムにはサラダバーも。 小樽の老舗寿司店で20年間板前をしていた店主の鮮やかな職人技と気さくな人柄で地元客にも愛される人気店だ。
写真は、地元の旬のネタをお得に味わうことができる「季節のおすすめにぎり」。 他にも握りのセット「富良野にぎり」や「あいのり丼」も人気メニュー。
境内の売店で売られている素焼きの皿を展望広場から錦雲峡に向かって投げて、厄除けを行う「かわらけ投げ」。 今ではあちこちのお寺でかわらけ投げが体験できるが、神護寺はその発祥の地として知られている。
絶景ポイント 小樽オルゴール堂 本館
多くの歴史的建造物が現存し、いたるところにクラシカルな建物を見ることができる小樽。 写真は、明治45年に米穀店として建築された小樽には珍しいレンガ造りの建物。 現在は日本最大級のオルゴール専門店として25000点以上のオルゴールが展示販売されている。
昔ながらの市場が数多く残る小樽の中でも、市民の台所を守る代表格が南樽市場。 鮮魚店や精肉店、惣菜店など約30店が並び、連日地元客で賑わっている。 本物と鮮度にこだわる本間水産は、魚を見る目が肥えた地元の常連客の支持も高い。 「鮭は偽物も多いけど、うちは証明シールがついたものしか売らないよ」とは社長の本間さん。 買った商品はチルド航空便で全国に発送できる。
本間水産の毛ガニは、水揚げ直後に活きたまま船上で茹でた、カニ肉の甘みと旨みがたまらない「船頭炊き」。 宗八カレイは自宅で一枚ずつ丁寧に潮風に当てて干した「手干し」だ。 ボタンエビ・生ウニ・時鮭・生サケ・イクラ・ホタテなど、その季節の旬が並ぶ。
入口のレトロなイラストは、南樽市場のシンボル。 小腹がすいたら、蒲鉾店や惣菜店の新鮮な蒲鉾やコロッケを買ってドライブ中のおやつにどうぞ。
北海道浦臼町の自社農場「鶴沼ワイナリー」と道内各地の契約農家で栽培された、北海道産ブドウ100%の生ワイン約80種類がそろう。 ワインソフトクリームや道産ブドウ100%ジュースはドライブの一服に最適。 毛無山中腹にあり、敷地から一望できる小樽の街並みと石狩湾の景色も見事だ。 お土産にはオリジナルのワイン饅頭やおたるワイン仕込甘納豆、厳選チーズ類がおすすめ。
手軽なテーブルワインから、国産ワインコンクール受賞ワイン、限定醸造のヴィンテージワインなどおよそ80種類の生ワインを買うことができる。 人気NO.1は甘口の「おたる特撰ナイヤガラ」。 送料別で地方発送も可。
ギャラリーでは、ワインの瓶詰ラインを見学できるほか、定時あるいは事前予約をするとガイド付きで工場見学をすることも可能。 毎月、蔵出し特売会などのイベントを開催しているので、事前にウェブサイトでチェックしてみよう。
出発した札幌駅へ到着。 商業施設や飲食店が充実しており、お土産を探すのもおすすめ。
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新千歳空港から札幌を経由して、石狩川河口付近沿いを走る道道225線へ。 途中、札幌で北海道銘菓「白い恋人」のテーマパークに立ち寄って気分を高め、体験型民宿「ザ・吉岡」で本場のちゃんちゃん焼きを教わる。 「サーモンファクトリー」で石狩ならではの天然鮭に出会い、老舗「金大亭」で石狩鍋を堪能。 石狩川と日本海が交わる地点に形成された「はなますの丘公園」で潮風に当たる。
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