【スタッフブログ】和皿の上で踊る割烹イタリアンを試食体験! | 伊豆長岡 割烹温泉旅館 新叶
宿の女将から「どうしてもうちで料理を作ってほしい!」と請われて「伊豆長岡 割烹温泉旅館 新叶」にやってきた、イタリアンの鎌野シェフ。「割烹料理の宿」の看板を背負いながら、新しい時代をスタートさせたシェフが手掛ける「割烹イタリアン」を、静岡在住のローカリストであるスタッフが試食させていただきました! 宿が受け継いできた大切な和皿の上で展開されるイタリアン。ぜひ、一緒に目で味わってみてください。
伊豆長岡温泉の夜はとても静か。さあ、大人の時間が始まります。

すっかり陽が落ち、静まり返った伊豆長岡温泉街。昔から料理に定評のあった宿が、3年ほど前にイタリアン出身のシェフを迎えました。さて、どんなお料理が出てくるのでしょう!?

本日は「あやめ」でお食事。床の間には掛け軸が掛けられていて、和庭園を望む純和室です。そんな空間でいただく割烹イタリアン…。貴重な機会となりそうです。

本日は運転につき、ノンアルコールで乾杯。「Celeble(セレブレ)」というノンアルコールスパークリングワインはブドウの発酵果汁に紅茶エキスが加わった、気品ある爽やかな味わい。「アルコールのような満足感です!」と興奮気味のスタッフ。
本日のコースは全11種。前菜から心奪われる彩

シェフが懇意にしているという杉正農園の新鮮な野菜を使ったバーニャカウダ。まさにソースに付けようとしているのはオクラの花。鮮度抜群で青臭さは全くありません。

生ハムで巻いた「みしまマンゴー」は宮崎マンゴーにも負けない甘さ! 地元の鈴木農園さんの渾身の作だそうです。地蛸ときゅうりの自家製生シラスの唐辛子漬け和えは、蛸の柔らかさが絶妙。富士山サーモンとクリームチーズのペーストを挟んだモナカは、モナカの素材である米粒の上に乗せるアレンジで登場。米粒がモナカの湿気を吸ってくれるのだそう。

女将さんが、鎌野シェフの料理の中で一番好きなのがスープだそう。「蕪、大根、ブロッコリー、トマト、とうもろこし等の食材を使い、まさにスープに季節が表現されています。どれも優しい仕上がりなのがお気に入り」と、女将さん。
今回は夏を閉じ込めた「トマトとパプリカのガスパチョ」。美しい赤オレンジのガスパチョには蒸し鮑が。半日以上寝かされたトマトやタマネギのペーストはわずかな素材の舌触りを残し、何度もスプーンを口に運んでしまう美味しさ! 女将さんが鎌野シェフを連れてきたかった理由が分かった気がします。できれば一年中食べたいメニューですが、夏限定です!
地元の丹那牛乳から手作りしたカッテージチーズと、軽く乾燥させて仕上げる生ハムを乗せたクロスティーニがガスパチョによく合います。ここでスタッフはワインが飲みたくなってしまいました。

金目鯛とごちそうナスのカルパッチョには、鎌野シェフが白ワインで漬け込んで作った自家製のからすみを絡めて贅沢に。添えてあるのは、間引き摘果された三ヶ日みかん。からすみもみかんの風味も、素材勝負の金目鯛とナス本来の甘さを最大限引き出すのに無くてはならないものでした。
コース後半はお肉や魚が登場!

広大な静岡の牧場で、富士山の清らかな湧き水を飲みながら育ったあしたか牛を低温調理して、ジュレとともに。見事なさしが入ったあしたか牛は、みなさんの想像通りとろける一品でした。

焼き茄子と伊勢海老を絡めた冷製パスタ。細目のパスタにとろける焼き茄子が良く絡まっていて、蒸した伊勢海老を一緒に味わう贅沢な一皿。まさに夏! 希望があれば、炊き込みご飯やお茶漬けに変更することも可能だそう。

鮮魚と野菜のフリット。見てください、この笑顔! アツアツを頬張ると、サクッと切れ味のよい薄衣の感触のあと、じゅわっとあふれる野菜の旨味、白身魚のふわりとした甘み。薄い衣は、イーストは使わずイタリア産の小麦粉で。二度揚げのおかげで、しばらくアツアツのままなのはお見事でした。

静岡そだちA5ランクのヒレ肉のローストは、とにかく切れ目が美しすぎます! 食べなくてもその柔らかさ、甘さが伝わりますよね?? しかし、食べてみないとやはり真実はわかりません。伊豆・高村さんの手掛けた山葵を付けて一口。予想以上に、お肉とすりおろし山葵は最高の相性でした! さしがしっかり入っていますが、ヒレなので決して重くなく。これまでで充分なボリュームのコースでしたが、難なくいただいてしまいました。

お口直しは、葉脈まで表現した繊細なクッキーが乗った、白桃のコンポートとセミフレッド。夏の爽やかさを閉じ込めたデザートで、今日のコースはフィニッシュです。ピスタチオの食感が効いたねっとりしたセミフレッドと、さっぱりしたコンポートとジュレ。さすがイタリアンを極めたシェフのアイデアですね!

純和風の宿で楽しむ、割烹イタリアン。空間もお皿も和なのに、見事に割烹イタリアンに昇華した、素晴らしいコースの一部始終をお伝えしました。食事目当てのゲストは昔から多く、割烹イタリアンに変わった今も、常連客に愛され続けているのだそう。
新館・本館で構成される新叶は、2名より各館の貸切りができ、新館を4名以上予約で旅館丸ごと貸切りができるので、大切な人と、そして家族や仲間との滞在がよりプライベートに楽しめます。ぜひ、自慢の料理と温泉を楽しみに、そして名物女将に会いに行ってみてくださいね。
中伊豆 > 伊豆長岡
伊豆長岡 割烹温泉旅館 新叶
本館平日2名以上貸切 1泊2食付1名あたり
45,000円〜(税込)