日本の建築美とアンティークが調和した
美術館のような館内 | 天女の館 羽衣ホテル

ロビーや館内には、羽衣伝説にまつわる美術品や女将が自ら作ったアートの数々が。貴重な作品もあるので、館内を美術館のように巡るのも楽しいですよ。

客室棟の通路には、坪庭から障子を通して柔らかな光が差し込みます。壁面には富士山や三保松原に関する作品や、欄間彫刻や浮世絵が飾られており、歩いているだけで感性が磨かれるよう。

客室棟の通路に飾られている、東下り之図。昔は京都が都だったため、都から富士のある東へ行く様子を表しているのだそう。

純和風旅館の風情に馴染むモダンなラウンジ「SAOHIME」には、女将と親交のあった昭和の名優のほか、旅館の変遷をたどった写真の数々が展示されています。

数寄屋造りに融合するアンティーク調のステンドグラス。館内のいたるところに精巧な美術工芸品が溢れ、それらは不定期で入れ替えられています。
どこか神聖な空気をまとう伝説が現実味を帯びるのは、周辺にある羽衣伝説ゆかりの松や歴史的建造物に加えて、館内でもそれらの美術工芸品に触れることができるからかもしれません。羽衣伝説にまつわる掛け軸や豪華な能装束(のうしょうぞく)の人形、富士山が描かれた天袋、洋風のステンドグラスに見る日本美の象徴「梅と鶯」など、どれも目を惹かれる品々ばかり。
そして、天女の館 羽衣ホテルの入り口付近では、羽衣伝説に登場する漁夫の銅像がなにやら物寂し気な表情で天を仰いでいます。この土地に伝わる羽衣伝説は、漁夫の白龍(はくりょう)が一本の松の上にかかった美しい羽衣を見つけ持ち帰ろうとしたところ、持ち主である天女に「返してほしい」と声をかけられます。白龍は返す代わりに「天人の舞」を見せてほしいと伝えますが、天女は羽衣がないと舞えないと訴えます。そこで白龍は天女が舞を見せずに天へ帰ってしまうのではないかと疑ったところ、「いや疑いは人間にあり、天に偽りなきものを(疑いは人間界のもので天には偽りは無い)」と諭され、己を恥じたと言われています。この言葉は、能の演目「羽衣」の最も有名なセリフとしても知られていますよ。
タイミングがあえば旅館の方から興味深い話をたくさん聞くこともできます。その土地を知り尽くしているからこそ、説得力が増して面白い経験ができます。
純和風旅館の風情に馴染むモダンなラウンジ「SAOHIME」では、女将と親交のあった昭和の名優のほか、旅館の変遷をたどった写真の数々を展示しています。1階にあるので、夕食後や入浴後など気軽に立ち寄れますよ。館内を移動するだけでも、まるで美術館に遊びに来たかのような楽しい時間が過ごせる天女の館 羽衣ホテルで、歴史や文化に触れてみてはいかがでしょう。
■ラウンジ「SAOHIME」
・場所/1階
・利用時間/滞在中利用可能(状況により一定時間利用不可)
※利用は宿泊者限定
静岡・清水 > 清水
天女の館 羽衣ホテル
夕朝食付 2名1室
39,600円〜(税込)