天城七湯のひとつ・湯ヶ島温泉に佇む、まるごと登録有形文化財の温泉宿 | おちあいろう

修善寺駅から車で約20分、明治初期からその姿を変えずに守り続けてきた建築美と天城湯ヶ島の自然が融合した、まさに“隠れ家”のような佇まい。瓦葺の大きな屋根が印象的な玄関をはじめ、計7棟が国の登録有形文化財です。

一歩足を踏み入れると、ここだけ時間が止まっているかのような雰囲気。高い天井と大きな桔梗の紋が施された玄関ではスタッフが笑顔で出迎えてくれて、あたたかな気持ちとこれから始まる滞在に胸がふくらみます。

敷地は約4000坪。狩野川の清流や手入れが行き届いた庭園、やわらかな木漏れ日が差す木々など、館内の至るところから様々な風景に出会えます。秋は紅葉、冬は床暖房がきいた暖かい館内から天城の自然を眺めることができますよ。

館内の随所に施された当時最高峰の匠の技を「おちあいろう」のスタッフが解説する「文化財ツアー」も必見。銘木奇木が存在感を放つ床の間や、意匠を凝らした装飾や精密な細工が唯一無二の空間をつくり、「おちあいろう」が“まるごと登録有形文化財の宿”といわれる理由がわかりますよ。

ノスタルジックな雰囲気が非日常を感じさせてくれる読書室。重厚な本棚には文豪の蔵書が並んでいます。「おちあいろう」ゆかりの文豪たちの本を読みその時代に想いを馳せたり、レコードを聞いたりゆったりした時間を過ごしてください。
伊豆半島のほぼ中央にある天城・湯ヶ島温泉郷に佇む「おちあいろう」。1874年に「本谷川」と「猫越川」が合流する畔にあることから、旧幕臣の山岡鉄舟によって名付けられたそう。古より天城の山々と渓流のせせらぎに包まれた贅沢な空間では、島崎藤村や川端康成、若山牧水、林芙美子など名だたる文人墨客がこの旅館を愛し、物書きに耽けていました。
建物の7棟が国の登録有形文化財で、それぞれの棟は渡り廊下でつながっているので安心。初めての滞在だと少し迷ってしまうかもしれませんが、パブリックスペースで休憩しながら、書院造りの本館と数寄屋造りの別館・眠雲亭から成る館内随所に施された装飾や組子細工を眺めてみるのも楽しいですよ。
老舗旅館ならではの風格がありながら、館内は床暖房を設置しているので真冬でも暖かく、快適に過ごすことができます。次の休日は、伊豆という土地を肌で体感できる歴史ある宿で、羽を休めてみてはいかがでしょう。
■おちあいろう
・住所/静岡県伊豆市湯ヶ島1887-1
・アクセス/伊豆箱根鉄道駿豆線「修善寺」駅から車で約20分
・全14室
・チェックイン15時、チェックアウト11時
中伊豆 > 修善寺・天城
おちあいろう
夕朝食付 2名1室
148,000円〜(税込)