北欧家具の巨匠フィン・ユール×温泉旅館の粋 | ふきや

暖簾をくぐって旅館に上がると、開けたロビーにはデンマークデザインを世界に知らしめた巨匠たちの名作が。フィン・ユールの「No.53」、オーレ・ヴァンシャーによるホースヘアのシリーズ、イブ・コホド‐ラーセンの「エリザベスチェア」といった、ファン垂涎の一脚に腰かけてコーヒーを楽しむのは至福のひととき。
天井には京都の和紙デザイナー、堀木エリ子氏の作品がアクセントに。この空間だけでも宿のこだわりが伝わります。

「フィン・ユールの部屋」と名付けられた、ほの暗い湯上り処。3脚のフィン・ユール作品が並んでいます。一番奥が代表作「チーフテンチェア」、真ん中は名前なし、一番手前の一人掛けは「No.48」シリーズ。
深く腰かけ肘を置けば、誰もがフィン・ユールの曲線美の世界に引き込まれるでしょう。ここは温泉宿。浴衣姿で楽しむフィン・ユールは何と粋な時間。壁紙は和紙デザイナーの堀木エリ子氏によるもので、5層構造。照明の当て方で光の見え方が変わる、まさにアートです。

タイプYの部屋にあるのは、フィン・ユールの「No.48」の二人掛けチェア。和の空間に北欧家具が見事に調和しています。やさしく包み込む背もたれに身を任せて、湯河原の豊かな自然を眺めると、日常とは異なる世界に引き込まれます。

タイプSの部屋にあるフィン・ユールのチェアは「No.53」シリーズ。まるで、目の前の緑豊かな日本庭園をゆっくり眺めるためだけに置かれているようなチェアと、夏障子の組み合わせは美術館のよう。数寄屋造りの和風建築と北欧家具、双方が溶け合う唯一無二の空間になっています。
「ふきや」は、湯河原の高台にある温泉旅館という顔だけではなく、希少なミッドセンチュリーの家具を楽しむことができる、稀有な一面を持ち合わせた旅館。ファンならずとも耳にしたことがあるデンマークのデザイナー、フィン・ユールをはじめ、オーレ・ヴァンシャー、イブ・コホド‐ラーセンといった匠の代表的なチェアがごくごく自然に配されています。見事なのは、その調和。客室の作りやしつらいは100%和風にもかかわらず、なぜかしっくりと馴染んでいる北欧のチェアは、心地よい異文化のコラボレーションとなってゲストをもてなします。
実は「ふきや」で体現したいオーナーのスピリットは、北欧チェアだけにとどまりません。廊下の調度品や絶妙な明るさの照明、廊下の垂れ壁、客室のふすまの引手や洗面ボウルまで、細かい部分にこだわり抜いた空間づくりがいたるところに施されているのです。
ぜひ、実際に訪れて、その世界観に触れてみてください。温泉や料理に勝るとも劣らない、インテリアの妙に触れることができますよ。
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ふきや
夕朝食付 2名1室
90,200円〜(税込)