【スタッフブログ】あらためて、阿寒の深みに触れる。伝統と”新しさ”が共存する宿をレビュー | あかん遊久の里 鶴雅

北海道東部・阿寒湖のほとりにある阿寒湖温泉。手つかずの原生林には約700種もの植物が芽吹き、アイヌ文化を継承する人々が暮らす北海道最大級のアイヌコタン(アイヌ民族の集落)が広がるエリアです。
アイヌ民族といえば、昨今は白老のウポポイ(民族共生象徴空間)が話題。しかし阿寒では、ホテル館内や温泉街を歩くだけで歴史や文化、自然観に知らぬ間に触れているのです。一度訪れれば、もっと深く知りたくなる。そんな阿寒湖温泉を代表する湯宿「あかん遊久の里 鶴雅」に、たびらいスタッフが行ってきました。
特に、世界初の「ドーム型展望サウナ」の情報はお見逃しなく!
まずは阿寒の魅力を知ろう

あかん遊久の里 鶴雅があるのは、特別天然記念物・マリモが生息する神秘の湖・阿寒湖の西側のほとり。エントランスを出てまっすぐ歩くと、すぐ右手には「アイヌコタン」が。
木彫りや織物、レリーフなどの伝統的なアイヌ民芸品をはじめ、本格的なアイヌ料理を味わえる飲食店が軒を連ねています。

ホテル目の前にある温泉街。まるで異国に迷い込んだかのような雰囲気です。
アイヌ文化をより深く知りたいのであれば、阿寒湖アイヌシアター「イコㇿ」でアイヌ古式舞踊の鑑賞を。2024年4月27日(土)からは、「ウレシパモシリ(育てあう大地)」をテーマにした新演目「満月のリㇺセ」の上演も始まります。
例年5月中旬~11月中旬頃に開催される人気イベント阿寒湖の森ナイトウォーク KAMUY LUMINA(カムイルミナ)で、神秘の物語を追体験するのもおすすめ。阿寒湖温泉の宿に泊まれば、通常料金より500円お得に楽しめるんです。
アイヌの世界観にどっぷり浸かって

「この土地の物語を感じるおもてなしをしたい」という思いが込められた館内。阿寒の自然と風土を感じられるよう、木彫り作品やアイヌ文様をモチーフにしたデザインがあちらこちらに。
特に、本館からウイングス館へと続く道のりは必見。彫刻を展示する「ギャラリーニタイ」や「ロビーギャラリー イランカラプテ」などが並んでいるので、”ただの移動”では終わらないこの宿の魅力に気づくはず。

エレベーターの手すりですら、触れずにはいられない。ひとつ一つ、温もりに触れながら散策してみてくださいね。
お待たせしました! 今回泊まる部屋は……

客室棟は全部で4つ。以前の体験レポートでは別館 雅ーMIYABI-に泊まりましたが、今回たびらいスタッフが選んだのは「本館 ”レラ”」。雰囲気たっぷりのエントランスを抜け、靴を脱いで客室へ向かいます。

この日泊まったのは、アイヌ文様を取り入れたデザインと、木の温もりにほっとする和洋室。たびらいスタッフは女性3名で泊まりましたが、思い思いにくつろげました。

女子旅にはうれしい、ゆったり使える洗面スペース。アイヌ民芸の家具をあしらった古民家風の空間は、周辺のホテルでも唯一無二ですよ。
絶景とサウナに癒やされる時間

あかん遊久の里 鶴雅の魅力は、温泉にあり。そう言っても過言ではないくらい、多種多様な浴槽が楽しめる大浴場ですよ。大浴場は本館1階と8階に二つ、ウイングス館にひとつありますが、今回は本館8階大浴場を詳しくご紹介します。
2階建てになっていて、階段をのぼった先にあるのが空中露天風呂「天女の湯」。その向こうに広がるのは、阿寒湖と雄阿寒岳の大パノラマです。まずは絶景を眺めながら、温泉で体を温めましょう。
そして注目すべきはこちら!

独特なフォルムの球体。こちらが2022年12月末のリニューアルを経て誕生した、360度全面ガラス張りのドーム型展望サウナです。

サウナの中を覗いてみましょう。大人8名が同時に入れるサウナの球体面には、特殊ガラスが施されています。たしかに阿寒湖や空がよく見えました。

中央のサウナストーブは、アロマウォーターをかけてセリフロウリュを楽しめます。サウナがあるのは屋上部分なので、すぐに外気に当たれるのもポイント。

ミネラルたっぷりの阿寒百年水の水風呂でクールダウン。水風呂は氷を投入してキンキンに冷やして入ることもできました。
※空中露天風呂「天女の湯」フロアの水風呂は5月~10月までの限定営業となります
周辺にはととのい椅子が置いてあるので、景色を眺めながらのんびり……。
お腹を空かせていきたい夕食ビュッフェ

メインダイニング「天河」の夕食ビュッフェは、とにかく広い&メニュー数が多い! なんとメニューは100種類ほど。初めて行く場合は、きっと驚きを隠せないはず。リピーターのたびらいスタッフでさえ、「何から食べようか」と迷うほどです。
ビュッフェは、和食・洋食・中華・アジア料理と各ジャンルごとにコーナーが分かれています。いずれもシェフが調理する姿を眺められるオープンキッチン付き。では、王道の和食コーナーから行きましょう。

和食コーナーのライブキッチンでは、天ぷらやステーキのほか、この日はオホーツク産帆立の貝焼きの実演も行っていました。

甘えびやマグロ、サーモンなどの魚介が並ぶ刺身や握り寿司も見逃せません。海鮮あり、お肉ありの豪華な和食コーナーはやはり人気。そのため賑わうことが多いですが、常時シェフができたてを提供してくれますよ。

料理台の向こう側でシェフが見事な鍋振りを披露する、中華コーナー。餃子や麻婆豆腐、鶏の半身揚げ……パラパラで具だくさんな炒飯は、思わずおかわりしたくなるおいしさ!

中華コーナーの隣には、デザートコーナー、洋食コーナーと続きます。洋食コーナーにはピザやパスタのほか、おつまみにぴったりなチーズやクラッカーも揃っていました。津別町にある農場・鶴雅ファームの野菜などが並ぶサラダコーナーは、ドレッシングとトッピングの豊富さが魅力的! この日はドレッシングが7種類もありましたよ。

アジアンコーナーは、2022年12月末に増設。一番奥は味噌&醤油ラーメンの実演コーナーです。ベトナムの炒め物やインドカレー&ナンなど本格的なメニューばかり。
一部はキッズコーナーになっていて、子どもが好きそうなフライドポテトやエビフライ、ハンバーグなどが揃っていました。キッズ用のカトラリーや紙エプロンも用意されていたので、ファミリーで来ても楽しめそうですね。
夕食後はどうする? 選択肢は無限大

アイヌの文様が刻まれた“カムイニー”(トーテムポール)が立つ「イオマプの庭」では、夜になるとプロジェクションマッピングを開催。場所はウイングス館にあるので、そのままウイングス館の大浴場まで足を延ばすのもおすすめです。
食事の豪華さは朝食も例外なし!

夕食でキッズコーナーだった一角が、朝食はスムージーを提供するコーナーへと変身。4種類のスムージーが作りたてで提供されます。
ぬるくなりづらいステンレス製のコップに注げるので、最後まで冷たいまま楽しめました。一番人気は、スッキリ爽やかなキウイベースのスムージーとのこと。お腹に余裕があれば、少しずつ飲み比べてみて。

白いご飯にたっぷりのイクラをかければ、贅沢な海鮮丼の完成!
【スタッフブログ】編集部のコメント

今回泊まった本館 ”レラ”の各フロアには、宿泊者だけが楽しめる足湯がありました。たびらいスタッフも撮影の合間に、ほっこりタイムを過ごしましたよ。
とにかく広い北海道ですが、ひと言に北海道といえど、この独特の雰囲気が漂うのは阿寒だけではないでしょうか。こちらにせっかく訪れるのであれば、1泊と言わず2泊以上の滞在をおすすめします。1日目はホテル周辺散策でアイヌ文化を知り、2日目は遊覧船にのって小さな島「チュウルイ島」でマリモ観察。そして3日目は、大自然を舞台にアクティビティで体を動かす。
のんびりおこもりステイでも、アクティブに過ごすでもよし。多彩な楽しみ方を深い懐で受け入れてくれる、奥深き阿寒湖温泉。何度訪れても、アイヌ文化と自然が織りなす世界観に魅了される場所でした。
釧路 > 阿寒町 > 阿寒湖温泉
あかん遊久の里 鶴雅
夕朝食付 2名1室
38,666円〜(税込)