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  1. 古湯観光 リノベーションされた温泉街と自然スポットを楽しむ

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

古湯観光 リノベーションされた温泉街と自然スポットを楽しむ

  福岡市街から車で1時間ほどの「古湯温泉(ふるゆおんせん)」は、佐賀県・脊振山系(せふりさんけい)の山間にあるひなびた温泉地。この温泉地に、いま新しい風が吹いているという。

温泉街の古い民家や商店をリノベーションした新たな散策スポットが、次々と生まれてきているのだ。温泉や自然などの定番スポットに加えて、古湯観光の新しい魅力に迫る。

「古湯キッチン10」

  福岡と佐賀の県境にまたがる背振山系の山峡に湧く古湯温泉へは、福岡市内からなら車で約1時間で行ける。2000年の歴史を持つ名湯は、なめらかなアルカリ性の泉質と人肌ほどの“ぬる湯”で、古くから湯治客に愛されてきた。

そんな文字通りの“古湯”に、新しい風が吹いている。目抜き通りの石畳沿いに、古い空き家をリノベーションしたカフェや図書館、エステ、雑貨・家具店などが次々とオープンし、魅力的な散策ストリートに生まれ変わっているのだ。

そんな古湯の新たな楽しみ方を、「古湯キッチン10」で働く達人・島内明子さんに聞いた。

取材/河三平、平成28年(2016)11月

島内明子さん
(しまうち あきこ)
島内 明子さん

古湯観光の達人
  (写真提供/「泊まれる図書館 暁」)
佐賀市生まれ。古湯温泉の食堂兼カフェ古湯キッチン10のスタッフ。東京での生活を経て、平成23年(2011)にイギリスへ移住。帰国後は佐賀市に戻り、古湯キッチン10にオープニングスタッフとして参加。日々の仕事のかたわら、「フジフェスティバル」(2015)や「古湯お散歩市」(2016)などの実行委員として、さまざまなイベントの企画運営に携わる。古湯の温泉街を盛り上げるべく、石畳通りをリノベーションする同世代商店主たちとともに、日々奮闘している。

「古湯キッチン10」から、古湯散策のはじまり

「古湯キッチン10」の店内

  古湯といえば温泉だが、温泉街に到着してひと風呂浴びたら、まずは古湯キッチン10を目指してほしい。湯宿が集まる一画にあるので、泊まり客でも立ち寄り客でもすぐに見つけられる。「湯町の小さな“お散歩案内所”みたいな感覚で、気軽に立ち寄ってもらえれば」と達人・島内さんは言う。

“せっかく古湯を訪れてもらっても、旅館以外にごはんを食べる場所は少ないし、湯町散策へと誘う拠点も不十分” ―― 以前はそう感じていたという旅館 千曲荘(ちくまそう)の大女将が、八百屋だった空き家物件を購入。町の人や移住者などと一緒にリノベーションを行い、平成27年(2015)6月に古湯キッチン10がオープンした。

古湯キッチン10の一番人気メニュー「から揚げランチ」
店内には一枚板の広いテーブルやソファ席があり、入り口近くの棚には、地元の食材やオリジナルの自家製しょうゆ麹などが並ぶ。ランチメニューにも、「佐賀鶏のから揚げ」や「肥前ポークのとんかつ」など、地場の食材にこだわった定食が5種類。いずれも具だくさんのみそ汁と数種の小鉢、食後のコーヒーが付いて1000円未満だ。古湯界隈のイベントや店舗などのフライヤーも置かれているので、散策前の情報収集にもいい。

また、月に一度、満月の夜には宴イベント「満月酒場」が開催され、島内さんが“若女将”を務めている。地元の食材を使ったさかなと佐賀の地酒がそろい、さらに近くの民宿「幸屋」の協力を得て、満月酒場の利用客限定で、3000円の素泊まりプランも用意される。

さまざまなイベントが評判を呼び、20代~30代の若い移住者たちも、古湯の町に集うようになったという。古湯キッチン10の後を追うように、図書館やエステ、雑貨店なども次々とオープン。二人の“女将”の呼びかけをきっかけに、古湯の石畳通りに新たな散策スポットが生まれている。

湯町のそぞろ歩きへ。図書館に雑貨店、エステまで

泊まれる図書館「暁」と同宿の主人・白石さん

  古湯の温泉街には、多様なジャンルのおすすめ店があり、歩いて回ることができる。家族や友人たちと車で訪れても、石畳の通りに降り立ってからは、それぞれの目当ての場所へ歩いて別行動をし、後で落ち合うこともできる。必ずしも連れだって行動する必要はないのだ。

古湯キッチン10を出て、島内さんが次に案内してくれたのは、平成28年(2016)10月にオープンした「泊まれる図書館 暁(あかつき)」だ。「“温泉地×本で、泊まれる図書館” ―― そんな場所があったらいいな」という同宿の主人・白石隆義さんの素朴な願望から、古湯の築110年の古民家をリノベーション。昼はカフェ付きの図書館として営業し、夜は一日1組限定で宿泊できる“泊まれる図書館”となる。

約100個のキューブ型の本箱が並ぶ暁の館内
暁の屋内は、L字型に囲むような縁側から自然光が差し込み、読書にちょうどいい明るさ。六畳と四畳半、二間の空間に、ユニークなキューブ型の本箱が100個ほど置かれている。「私のお気に入りは縁側の席ですね」と島内さん。そんな風に、自分のお気に入りの本と居場所を見つけるのが、この図書館の楽しみ方だ。

インドアよりもアウトドアで楽しみたいという人には、自転車コース「パンプトラック ketta!」がある。パンプトラックとは、マウンテンバイクのペダルをこがずに、コース内の傾斜やコブの上を重心移動だけで進む自転車競技。その専用トラックが、温泉街の石畳の入り口にある。
「子ども用のペダルなしバイク(ストライダー)にうってつけなので、お子さん連れにも人気ですよ」(島内さん)

「ふるゆ まつや」カフェ奥にあるエステルーム
また、“女子旅”におすすめなのが、ビューティー&ヘルシーの店「ふるゆ まつや」のエステコース。30分で2980円という手頃な価格設定ながら、本格的なエステを体験できる。湯上がりのタイミングで予約しておこう。また、まつやのほかに、旅館「大和屋」内のエステルーム「LICO SPA」もおすすめ。こちらはスウェーデン式のオイルリンパマッサージが、40分5000円~というリーズナブルな料金で受けられる。

家具や雑貨が好きな人は、週末限定でオープンする家具店「地球木工」や、雑貨店「ビレッジアンティーク」へ。ketta!の脇の細い坂道を下ってすぐの地球木工は、オーダーメイドにも応じてくれる家具職人のショールームで、木のぬくもりのあるギフトや土産物を見つけられる。

そんな風に、それぞれ目当ての店を楽しんだ後には、石畳通りの真ん中にある無料の足湯や、コーヒーを飲みながらゆっくり待てる「CAFE SLOW(カフェ・スロー)」などで落ち合うといいだろう。

湯上がりシネマで、ごろり? ようこそ「古湯映画祭」へ

古湯映画祭

  古湯温泉で最大のイベントは、毎年9月中旬に開催される「富士町古湯映画祭」だ。毎年、テーマに沿って往年の名作や新作の映画を10作以上、3日間にわたって上映。また、俳優や監督など、第一線で活躍する映画人をゲストに迎えたトークショーやワークショップなどが行われる。

上映会場にはゴザ席も用意されており、湯上がりにごろごろしながら鑑賞できるという、湯町ならではの“ゆるさ”がポイント。和やかな雰囲気の中で、映画をさかなにして、豪華なゲストと過ごせるパーティーも。ゲストと参加者の距離が、これほど近い映画祭は珍しいだろう。

30年以上続く古湯映画祭のほかにも、古湯キッチン10のスタッフや古湯の町役場、移住者たちといった有志によって、新たなイベントが誕生している。平成27年(2015)11月に開催された「フジフェスティバル」は、廃校となった小学校跡地をメイン会場に、音楽ライブやお話会、薬草づくりやみそ仕込みのワークショップ、生産者や飲食・雑貨店を集めたマーケットなどが行われ、好評となった。

さらに、平成28年(2016)の春に開催された「お散歩市」では、空き家や空き地のスペースが売り場に。古湯の町で“試し出店”した若き店主たちは手応えを感じ、古湯に店を構えるきっかけとなったという。
「今後も古湯をさらに盛り上げるようなイベントを企画していきたい」と島内さんは言う。古湯を訪れる際には、さきに古湯キッチン10のFacebookページなどで、イベント情報を確認しておくのがおすすめ。

子連れでも安心の「川上狭」の川遊び

道の駅大和「そよかぜ館」の裏手にある川

  「古湯の良さって、構えていないところだと思います。どこか田舎のおばあちゃんの家に帰ってきたような感じで迎えてくれるところ。川原沿いを散歩すると、ほっと落ち着きますよね」と古湯の魅力を語る島内さん。川原沿いには遊歩道があり、浴衣姿でも気軽に散歩できる。夕暮れ時に川のせせらぎを聴きながら、この湯町にしばしば逗留したという歌人・斎藤茂吉(さいとうもきち)の歌碑を巡ることもできる。

日中の川遊びなら、古湯へ向かう道中にある川上狭(かわかみきょう)付近の川原に立ち寄ってみるといい。子ども連れなら、「道の駅大和 そよかぜ館」裏手の浅瀬がおすすめ。流れが緩やかなので、小さな子どもでも安心して遊ばせられる。川原に降りるアプローチも十分に整備されており、そよかぜ館で弁当を調達すれば、気軽な川原のピクニックも楽しめる。

川上峡にかかる官人橋(かんじんばし)の界隈は、春には約3000匹の鯉のぼりを、また秋には紅葉を目当てに、多くの観光客が訪れるスポット。また、川原まで降りずとも、川縁にある川上峡名物「元祖 吉野屋」の白玉饅頭で一服したり、ドライブがてら“九州の嵐山”と称される景勝を愛でたりすることもできる。

「巨石パーク」のパワースポット登山に挑戦

14個目の巨石「天の岩門」の間から差し込む陽光

  時間があり、体力にも自信があるなら、朝早くから出発して「肥前大和 巨石パーク」から古湯温泉へ向かうアクティブなコースをおすすめしたい。ただし、最初に断っておくが、“パーク”の語感につられて軽装で立ち寄ってはいけない。小さな子ども連れも厳禁だ。

巨石パークの実態は、川上峡上流の下田の山中にある険しい山道。この登山コースのあちこちに、10メートル超級の巨石群が点在している。世界的に有名な“伝説のネイティブ・アメリカン”であるデニス・バンクスさんが、九州を訪れた際にここに立ち寄り、「ここぞパワースポット」と感嘆の声を上げたという逸話もあるほどだ。

2時間30分ほどの登山コースでは、道中に名前を付けられた巨石が16個。登山道の入り口から10分ほど登ると、最初の「神頭石(じとうせき)」が現れ、その後は次から次へと巨石が視界に飛び込んでくる。アートとして鑑賞するも良し、抱きついてパワーをもらうも良しと、思い思いに巨石を楽しめるコースだ。

巨石パークの「蛙石」
取材に訪れた日は週末とあって、多くの登山客でにぎわっていた。「天の岩門(あまのいわと)」(14基目)では“山ガール”たちが代わる代わる巨石の間に立って写真撮影をしていて、「蛙石(かえるいし)」(16基目)では昼食のおにぎりを広げる年配夫婦の姿が。下りは来た道とは別の緩やかな傾斜道を通り、沢の水音を聴きながら登山口まで30分ほどだ。

登山後の空腹を満たす食事処として、島内さんがおすすめするのは、巨石パークの入り口脇にある「手打うどん かつみ」。ごぼう天と肉入りの「かつみうどん」は、ふんわりと柔らかい細めの麺と甘めのだしが、登山後の体にしみる看板メニューだ。

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