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  1. 「八重山民謡」歌い継がれる八重山の心
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達人指南

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「八重山民謡」歌い継がれる八重山の心

  郷愁を誘う音色と心躍るリズム。石垣島で「八重山民謡」に出合う。

ヤエヤマコクタンを棹(さお)に用いた三線

  石垣島を始めとする八重山諸島は、唄の島、芸能の島と言われている。日本の南端にある小さな島々から、夏川りみやBEGINなど、全国的な歌手を輩出しているその背景には、地域の祭祀行事や暮らしの中で脈々と歌い継がれてきた「八重山民謡」の存在がある。

八重山・石垣島への旅で、今も息づく島の音色、生の「八重山民謡」を楽しむ方法を達人が指南する。

更新日/平成29年(2017)6月

金城 弘美
(きんじょう ひろみ)
金城 弘美

八重山民謡の達人
  生まれも育ちも石垣島。17歳の時に八重山古典民謡最優秀賞を受賞し、平成12年度の「とぅばらーま大会」では最優秀賞を受賞。安室流協和会師範。平成27年(2015)に待望のソロアルバム『美童の海』をリリースし、JTA(日本トランスオーシャン航空)の機内ソングに起用された。また、NHK沖縄の番組「うちなーであそぼ」にて、童謡八重山方言3シリーズがオンエア。宮良康正、BEGINのアルバムレコーディング、新良幸人率いるアコースティックパーシャのコーラス、八重山のアーティストを中心として結成されたBAGADA BANDにも参加するなど、多彩な活動を行っている。

八重山古典民謡は、八重山の歴史そのもの

工工四(クンクンシー)と呼ばれる三線用の楽譜

  石垣島を始めとする八重山の島々には、古くから歌い継がれてきた素晴らしい歌がたくさんあります。現在、一般的に「八重山民謡」と呼ばれている歌には、大きく分けて2つのジャンルがあります。1つは、ユンタ、ジラバ、アヨウなどの労働歌。その昔、畑への道すがらや田植えの作業中などに、手拍子をベースにした掛け合いで歌われてきたものです。もう1つは、節歌(ふしうた)と呼ばれるもので、首里王府から赴任してきた士族階級の役人が、三線の伴奏を付けて作った歌といわれています。

八重山諸島には島ごとに、そして集落ごとにも異なる民謡があり、生活の中で人々が感じていた素直な感情が歌われています。仕事をねぎらう歌、恋愛の歌、お祝いの歌、子どものための童唄、祭祀を通じて捧げる祈りの歌など、昔の人々の想いが込められた歌を聞いているのと、八重山民謡は八重山の歴史そのものだと感じます。

沖縄民謡と八重山民謡はまったく違うもの

由布島や竹富島の水牛車観光でも八重山民謡を聞くことができる

  県外の方もよく知っている沖縄の民謡の一つに、「安里屋ユンタ」があります。「さ~ゆいゆい」のかけ声でお馴染みですが、実は、この歌は沖縄民謡ではなくて八重山民謡です。BEGINのヒット曲「島人ぬ宝」に歌われている「とぅばらーま」や「デンサー節」も八重山民謡。また、沖縄の民謡ショーや結婚式などで定番になっている締めのカチャーシーは、八重山では「モーヤー」といいます。。

石垣島や宮古島は「沖縄」としてひとくくりにされてしまうことが多いのですが、民謡の世界では、沖縄民謡、宮古民謡、八重山民謡は別のジャンルとして扱われています。背景にある各島の歴史や文化、方言の違いがわかると、八重山民謡の世界もぐっと広がっていきますよ。
私の好きな八重山民謡に「月ぬ美しゃ」という歌がありますが、これは月の美しさを愛でる歌です。また、「あがろうざ節」という子守唄には、香り高いミカンの木の下に子守姉たちが集まってきて、「いっぱい抱っこもおんぶもしてあげるから、文学に長けた立派な子に育ってくださいね」という教訓歌のような内容が歌われています。

こうした民謡は子どもの頃からいつともなく、誰からともなく耳にしていたので、私自身も自然とよく口ずむようになりました。

豊かな海や山に囲まれ、夜になれば美しい月や星空に見守られている。いつも自然と共にある島の人たち暮らしぶりを、ゆったりとした民謡の曲調や歌詞からも感じ取ることができると思います。

生きた八重山民謡に触れられる場所

石垣島の旧盆行事アンガマーでも唄三線が披露される

  「生」の八重山民謡に触れてみたいのであれば、おすすめは地域の祭事を見ることです。パワー溢れる石垣四ヶ字(しかあざ)の豊年祭や、ユーモアたっぷりのアンガマーが登場する旧盆(ソーロン)、踊りと狂言が奉納される竹富島の種取祭など、五穀豊穣や無病息災の願いを歌に乗せて神々に捧げる、本来の姿を感じることができます。

また、八重山ならではの歌のお祭りとして、「とぅばらーま大会」というイベントがあります。「とぅばらーま」というのは、同じ旋律にそれぞれが思い思いの詞を付けて歌い上げる叙情詩のこと。もともと男女の掛け合いから生まれたもので、胸の内の熱い想いや、島の自然の素晴らしさなどを情感込めて歌い上げます。大会は戦後まもない昭和22年に始まり、「月ぬ美しゃ」に歌われている「月が美しいのは13日」という歌詞に由来して毎年旧暦の8月13日に開催されます。中秋の名月の下、古くから歌い継がれてきた情緒溢れる旋律と歌詞に、ぜひ触れてみてください。

もっと気軽に八重山民謡を楽しむなら

実際に三線を引いてみると、八重山民謡の音色が身体に染みてくる

  もっと気軽に八重山民謡を楽しみたい人には、民謡酒場、民謡居酒屋がおすすめです。民謡酒場とは、お酒や料理を味わいながら、地元の人も観光客も一緒になって民謡の世界を楽しめるお店のこと。好きな曲のリクエストに応えてくれたり、時には一緒にステージに上がって歌ったり踊ったりする場面もありますから、ぜひ恥ずかしさを捨てて積極的に参加してみてくださいね。たいていのお店は1日に2~4回のステージがあって、ライブチャージを支払って利用することができます。

三線の音色が好きという人には、体験教室で実際に三線に触れてみるのも良いかも知れません。三線を製造、販売している三線店や、地元の人が通っている八重山民謡の教室などでは、観光客向けの体験教室を開いています。初めての人でも、1時間程度で簡単な曲(八重山民謡ではないですが)を弾けるようになりますよ。

八重山民謡は、八重山の人々の心の故郷

  八重山を代表する唄者の一人に、新良幸人(あらゆきと)さんがいらっしゃいますが、
彼は「八重山に生まれただけで、すごいこと」だと話してくれました。若い頃はブルースがお好きだったそうですが、今では、「とぅばらーまは八重山
のブルース」とおっしゃっていて、八重山民謡の言葉とリズムこそが、ご自身のあらゆる音楽のベースになっているそう。

どこへ行っても必ず帰ってくる、自然と戻って来てしまう心の故郷のような存在が、私たち、島で生まれ育った者にとっての「八重山民謡」なのです。

八重山民謡を気軽に楽しむ方法

八重山の唄をお土産に。はじめての人にもおすすめのアルバム

  お土産として持ち帰って、自宅でも八重山の世界に浸れるおすすめのCDアルバム3選。

おすすめポイント
  島外ではあまり販売されていない地元レーベルが多いので、レアなお土産になる。

八重山民謡の真髄に触れられる地域の祭り

  歌謡の真髄を体感できる島の祭りを紹介。この祭りに合わせて旅行の日程を組む価値あり!

  • 八重山民謡の歌唱力や詩の内容を競い合う(撮影/新盛基史さん)
  • 大綱引きの前に行われる勇壮なツナヌミン(撮影/新盛基史さん)
  • 一斉にライトダウンして、美しい星空を楽しむ
おすすめポイント
  大きなものから小さなものまで、集めれば無数にある八重山の祭り。豊年祭などは各地で行われているが、比較的行きやすいものをピックアップ。

八重山民謡のQ&A

Q よく知られている八重山民謡にはどんなものがありますか?
A 民謡ショーや水牛車観光などでよく演奏される「安里屋ユンタ」や「月ぬ美しゃ」、お祝いの席で演奏される座開きの歌「鷲ぬ鳥節」、叙情歌として知られ、大会も開催されている「とぅばらーま」、教訓歌の「デンサー節」、子守唄の「あがろうざ」などがある。
Q 八重山民謡と沖縄民謡はどう違うのですか?
A 沖縄本島地方で歌い継がれている唄が沖縄民謡で、石垣島をはじめ八重山諸島で歌い継がれている唄が八重山民謡。
「沖縄」としてひとくくりにされがちだが、沖縄本島と八重山(石垣島)とは約410キロ以上離れており(東京~大阪間くらいの距離間)、歴史も言葉も違う。また、八重山諸島であっても、その島ごと、さらには集落ごとに言葉や歌が異なる。
Q 八重山民謡はどこへ行けば聞けますか?
A 石垣島四ヵ字の「豊年祭」や、旧盆の「アンガマー」、竹富島の「種取祭」などの地域の伝統行事や、「南の島の星祭り」、「オリオンビアフェストin石垣島」などのイベントでは、生の八重山民謡を聞くことができる。また、市街地にある民謡居酒屋に行ったり、地元のコミュニティFM、日本最南端の「いしがきサンサンラジオ」(76.1MHz)を聞くのもおすすめ。
Q 八重山民謡を体験することはできますか?
A 三線販売店や地元の人向けの八重山民謡教室などで、観光向けの三線教室を開いているところがあり、リクエストすれば八重山民謡を練習曲として演奏させてもらうことができる。また、民謡居酒屋では、観光客と演奏者が一緒になって歌い踊る場面もある。
Q 八重山民謡に関するお土産はどんなものがありますか?
A 手軽なところでは、八重山民謡のCDアルバム。島外ではあまり販売されていない地元レーベルが多いので、レアなお土産になる。また、自分のためのお土産として、本場の三線を購入するのもおすすめだ。

いざないの一枚