1. タイピーエン 熊本のおすすめ郷土料理

達人指南

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タイピーエン 熊本のおすすめ郷土料理

  学校給食にも登場するほど、熊本ではポピュラーな「タイピーエン(太平燕)」。たっぷりの野菜と春雨(ジャガイモや緑豆のでんぷんから作られる麺)を、やさしい味わいのあっさりとしたスープにからめた郷土料理だ。近年は知名度が高まり、ご当地麺として観光客にも人気がある。

素材のうま味が凝縮されたスープと、食感の良い春雨が好相性

  つるつるとした春雨に、素材のうま味が溶け出したスープ。中国・福建省にルーツを持ち、熊本の“ソウルフード”としての地位を確立している「タイピーエン(太平燕)」は、老舗店から新店、ラーメン店、ホテルのレストランまで、さまざまな店で提供されている。無類の麺好きを自認する達人に、その魅力を教えてもらった。

取材/熊本の編集プロダクション「ポルト」、平成27年(2015)7月


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佐藤史さん
(さとう ふみ)
佐藤 史さん

太平燕の達人
  熊本県出身のフードアナリスト。麺類をはじめ、ジャンルを問わず幅広い食に精通。フードライターとして、熊本県内だけでなく九州各地の料理店を取材し、その数は延べ5000店を超える。小柄ながら健啖家でもあり、特にうどんをこよなく愛している。趣味は旅行や登山、テニスなど。

ルーツは中国・福建省。今や熊本の郷土料理に

学校給食にも登場する熊本のソウルフード「太平燕」

  熊本を代表する郷土料理の一つ、「タイピーエン(太平燕)」は、庶民派の食堂から高級店まで、熊本市を中心にしたほとんどの中華料理店でメニューに載っているほか、熊本ラーメン店で提供されることも多い。

「家庭の味というより、どちらかというとお店で食べるものですね。父の大好物だったこともあり、幼い頃から当たり前のように家族で食べに行っていました」と達人・佐藤さんは言う。「給食にタイピーエンが出る日は、すごく嬉しかったことを覚えています。子どもの頃は、タイピーエンは全国で食べられていると思っていたから、大人になって熊本以外にはほとんどないと知って、びっくりしたくらいです」

平成27年(2015)2月には、タイピーエン発祥店の一つで創業80余年の中華料理店「中華園」が閉店し、全国的なニュースにもなった。今や熊本の地にしっかりと根付いている郷土料理だが、そのルーツは中国・福建省にあるという。もともとは福建省福州市で、家族や親戚が集まる祝いの席で食べられたスープ料理だった。その後、明治時代に熊本に渡って来た華僑(かきょう)が、故郷の料理をアレンジして作ったのがタイピーエンの始まりといわれる。

味の決め手は麺の食感とスープのだし

具材やスープには、それぞれの店のこだわりが詰まっている

  タイピーエンでは、中華麺の代わりに喉ごしの良い春雨を使うのが特徴。春雨の中でも、コシが強くスープを吸っても伸びにくい緑豆のものを使用する店が多い。

具材の基本はキャベツや白菜、ニンジンなどの野菜と豚肉。さらに、エビやイカなどの魚介類、かまぼこ、キクラゲなど、店ごとに異なる具材を加える。トッピングに欠かせない卵は、ゆで卵を素揚げした“揚げ卵”が定番だが、中には素揚げしていないゆで卵やウズラの卵を使う店もある。

中華料理店では、あっさりとした鶏ガラのスープが一般的だが、熊本ラーメン店の場合は豚骨スープが主流。また、鶏ガラと豚骨をブレンドして使用する店も多い。スープの見た目も、透明なものから白濁したものまでさまざまだ。食べると具材のうま味が溶け出したスープと、そのスープが染み込んだ春雨、しゃきしゃきとした野菜の歯応えが混ざり合う。

「スープをひと口すすった時は、『物足りないかな?』と思うかもしれません。でも、うま味がじんわりと体の中に染み渡っていく滋味深さがいいんです。私なんて、いつも最後の一滴まで飲み干してしまいます」と佐藤さん。「あっさりしているので、お酒の後の締めとしてラーメン代わりに食べたり、二日酔いの日に食べたりする人も多いでんすよ」

“アイデア太平燕”を、新たな熊本名物に

特産のトマトを使った真っ赤なスープの「トマト太平燕」

  店ごとに料理人が工夫を凝らすタイピーエン。近年では、ひとひねりを加えたアイデア商品も登場している。例えば、県北の菊池・山鹿地域には、春雨の代わりに特産の米麺を使った“アイデア太平燕”がある。

また、八代市(やつしろし)の「トマト太平燕」は、トマトの生産量が全国1位を誇る熊本県の中でも、主要な産地である八代市ならではのメニューだ。完熟トマトの真っ赤なスープでは、あっさりとした基本の味に、トマトの酸味と甘みが程よく混ざり合う。「八代よかとこ物産館」の「八代風とまと太平燕」や、中華料理店「王張(わんちゃん)」の「とまぴーえん」など、八代市内の食堂や中華料理店で提供されている。

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  老舗から“発祥の店”の味を受け継ぐ新たな名店まで。地元の人が足しげく通う正統派のタイピーエンとは。

  • 四季 儷郷の太平燕
おすすめポイント
  地域に根ざした郷土料理の味を知るには、まずは地元の人が行く店がおすすめ。

観光に便利な好アクセスも魅力。ホテルで味わう太平燕3選

  熊本観光の拠点として便利なシティホテルには、タイピーエンが味わえるレストランがあるところが多い。正統派から和風アレンジまで、ホテルごとにシェフのアイデアもさまざまだ。

おすすめポイント
  和風や広東風など、それぞれのホテルのシェフが意匠を凝らしている。あぶったタイの骨や、粉末状にした干しエビ、干し貝柱などの食材を使い、どれも魚介のエッセンスが生きたメニューとなっている。

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熊本市の中心市街地への交通アクセス

  熊本市街には、太平燕を提供する店が集中している。

車(レンタカー)で

  熊本空港から県道36号経由17キロ、40分
 九州自動車道・益城熊本空港ICから県道36号経由10キロ、30分

高速バスで

  熊本空港から空港リムジンバスで40分

電車で

  JR鹿児島本線熊本駅から健軍方面行きで10分、熊本城・市役所前下車

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タイピーエン(太平燕)のQ&A

Q タイピーエンって、もともとはどんな料理?
A 中国・福建省福州市では、古くから盆正月や祝い事の際に、家族や親戚、友人などと大勢で食卓を囲む習慣があった。そんなめでたい席で供される特別なスープ料理が、太平燕のルーツといわれている。ツバメの巣やフカヒレなどの豪華な具材も使われていたとか。
Q どこで食べられるの?
A 熊本市内のほとんどの中華料理店で提供されている。また、熊本ラーメンの専門店でもメニューに載っている場合が多い。
Q 土産物にできる?
A 近年は、有名店が監修した商品など、タイピーエンを家庭で気軽に味わえる土産物も充実。阿蘇くまもと空港やJR熊本駅の売店などで購入が可能だ。また、熊本県内のスーパーマーケットなどでも、カップに入れてお湯を注ぐだけの手軽な「インスタント太平燕」や、人気のゆるキャラ「くまモン」パッケージの商品などがある。
Q 九州の他県でも食べられる?
A タイピーエンは基本的には熊本に伝わる郷土料理。まずは本場で味わうのがおすすめ。ただし、長崎県の新地中華街にも、提供する店がいくつかある。
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