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  1. 「中城村・中城城跡」の風光明媚な世界遺産 | 観光コラム「達人指南」 | たびらい

「中城村・中城城跡」の風光明媚な世界遺産

  石垣を渡る風が古琉球を感じさせる世界遺産・中城城跡(なかぐすくじょうあと)。風光明媚なグスク跡だ。標高約160メートルの丘の上に広がる六連郭の美しいグスクで、西に東シナ海、東に太平洋(中城湾)を望み、晴れた日には周囲の島々まで見渡せる。

  • 六つに連なった琉球石灰岩の城壁が美しいグスク
  • 首里に向かって開かれた正門
  • 琉球王朝時代の正殿。中城按司が居城していた

  平成12年(2000)に「琉球王国のグスク及び関連遺跡群」として登録された世界遺産のひとつ。県内に300余りあるといわれている沖縄のグスクの中で、最も多くの遺構がオリジナルのまま残されていることが特徴だ。琉球が海外交易で栄えていた14世紀~15世紀に築かれ、今なお古き良き琉球の風を肌で感じることのできる貴重な古城跡を、この地で生まれ育った達人ガイドが案内しよう。
ライター/松島由布子 投稿日/平成25年(2013)10月
更新日/平成27年(2015)12月

中村弘光さん
(なかむらひろみつ)
中村弘光さん

中城城跡の達人
  生まれも育ちも中城城跡のある中城村。幼い頃から中城城跡に親しみ、村役場に勤めた。平成12年(2000)頃からボランティアで中城城跡の案内を始め、定年退職後本格的にガイド活動を行うようになった。平成14年(2002)には、中城村内の文化財を案内する有志サークル「グスクの会」が発足し、中城城跡を含む中城村内の文化財PRに尽力。同会の会長や中城城跡共同管理協会の事務局長を務めた。「グスクの会」の会員は現在53人。中城城跡のガイドを無料で行っている(要予約)ほか、季節ごとにさまざまなイベントなどを開催している。
 また、中城城跡の案内所で販売されているオリジナルCD「中城城讃歌」を作詞し、歌・三線でも参加している。
    • 中城城跡は本物のグスクファンをうならせる

        首里に向かって開かれた正門。達人の案内はここから始まる
      中城城跡の最大の特徴は、数多い沖縄のグスクの中で最も多くの遺構がほぼ原形のまま残されているということである。中城間切番所時代、中城村役場時代は公的機関として使用され、沖縄戦による被害も少なかったことがその要因と考えられる。これが本物のグスクファンや、琉球の歴史好きな方々を唸らせ、「首里城よりも中城城が好き」と言っていただけるゆえんである。琉球石灰岩を加工して積み上げた城壁の曲線美は芸術的で、当時の築城技術の高さに感嘆する。
      相方積みで築かれている三の郭
      私たちボランティアガイドは、中城城跡を案内するにあたってそれぞれに自分好みのコースを持っている。私が案内するコースは、案内所前の坂道から「裏門」を素通りし、城郭が造られた時の流れに沿って、西の方角にある「正門」からスタートする。正門は、首里城に向かって開かれ、かつては石造りの門の上に木造りの櫓(やぐら)が乗っていた痕跡がある。歴史の1ページに思いをはせれば、1458年中城城主であった護佐丸(ごさまる)を攻めた阿麻和利(あまわり)の軍勢も、1853年5月に来琉したペリー探検隊一行も、この正門から城内に入ったと考えられる。
      画家ハイネが描いた160年前の中城城の様子
      正門を通過して段違いの階段を上ると、雨乞いの御嶽、御當藏火の神、小城のオイベなどがある南の郭に突き当たる。ここは霊域となっており神聖な場所である。

      太平洋と東シナ海を同時に見渡せる素晴らしい眺望

        青い海と空に思わず歓声を上げる人が多い中城湾の眺め
      中城城跡は、北東から南西方向に向けてほぼ一直線に延びている丘陵の上に築かれた山城である。グスクが造られたのは14世紀後半で、先中城按司(さきなかぐすくあじ、意味:琉球の豪族)が、数世代に渡って六つの郭の主な部分である西の郭、南の郭、一の郭、二の郭を築き上げ、「護佐丸」が入城後に北の郭、三の郭を増築し、今に残る六連郭の見事なグスクになったとえられている。周囲は断崖と急勾配の斜面には、丘陵の尾根沿いにある正門や裏門しかなく、守りやすく攻めにくい戦国時代特有の構造だった。現代に生きる私たちにとっては、この立地と造りが素晴らしい眺望を楽しませてくれる。
      三の郭前広場から日の出を眺める
      おすすめは、正門南側にある広場(鍛冶屋跡前)から見渡す中城湾と、二の郭の城壁から大海原を臨む眺めだ。東側に太平洋、側には東シナ海、さらに北に勝連半島、南には知念半島まで眺めることができる。晴れた日には遠く慶良間諸島まで見渡せる。日の出を楽しむなら、東側に面した三の郭外壁の側の広場がおすすめ。元旦には初日の出を見る人たちでにぎわう。また、毎年冬至の日前後の休日には、「わかてだ(若い太陽)」を見る集い」を開催し、人々の無病息災と中城村・北中城村のさらなる発展を祈願するイベントが開催される。

      さまざまな歴史の舞台となった一の郭(かく)

        琉球王朝時代の正殿から、中城間切番所、中城村役場となった
      一の郭は、中城城跡で最も広く、最も標高が高い場所だ。琉球王朝時代には正殿があり、歴代の先中城按司や中城按司「護佐丸」が居城していたと伝えられている。その後、間切番所(まぎりばんしょ)が建てられ、廃藩置県後も建物はそのまま中城村役場として使用されたが、残念ながら沖縄戦によって焼失した。
      南の郭の城壁には火矢のための穴が
      一の郭の雅なアーチ門を抜けると、そのまま二の郭につながっている。ところが、その先にある三の郭とはなぜかつながっておらず、三のは新城(みーぐすく)とも呼ばれ、1440年にの座喜味城から移ってきた、築城家としても名高い護佐丸が増築したと考えられているが、どのような目的で造られ、使用されたのかは定かではない。
      英雄「護佐丸公」の墓
      琉球の戦国時代に「護佐丸・阿麻和利の乱」の舞台となり、当時の王、尚泰久(しょうたいきゅう)に謀反の疑いありとされた護佐丸は、阿麻和利の軍勢によって攻められ、無念のうちにこの城で滅びる。このように、数々の歴史が刻まれた中城城跡は昭和47年(1972)5月15日沖縄の本土復帰の日に国の史跡に指定され、平成12年(2000)12月2日には世界遺産にも登録、また、日本の100名城にも選定された。

      古城と自然との競演。季節ごとの花を愛でる

        冬に見頃を迎えるツワブキ。(写真提供/中城城跡共同協議会)
      自然豊かな中城城跡では、季節ごとの沖縄の花々を楽しむこともできる。一番おすすめの季節は11月~1月で、沖縄では「チーパッパ」と呼ばれるツワブキが黄色いを咲かせ見頃だ。ボランティアガイド「グスクの会」が、築城当時から生しているツワブキを大切に育て、増やしてきた。冬に咲く満開の花々に誘われて、南国の蝶や野鳥も多くやってくる。
      城の案内口付近には、鮮やかなピンクの花を咲かせるカンヒザクラが1月中旬~2月上旬に見頃を迎える。また、6月頃観光で訪れた人によく名前を聞かれるのはソテツの花で、雄花と雌花には特徴的な形状があり城内外で見られる。

      進化する世界遺産 古今のコラボレーション

        世界遺産中城城跡のプロジェクションマッピング
      正門から続く歴史の旅は、知れば知るほどに奥深い。この貴重な遺産をさらに多くの人に親しんでもらいたいと、最近では新たな試みにも挑戦している。平成25年(2013)からはじまった「光と音で蘇る護佐丸伝説!」は最新技術・プロジェクションマッピングを採用した年に一度の特別なプログラムだ。城壁に投影された映像と迫力のサウンドが一体となり、沖縄伝統芸能の継承者らが護佐丸の生涯を体現する。
      「護佐丸」が蘇る幻想的な舞台
      そのほか、国内外の人気アーティストによるライブや朝ヨガのレッスンなど多彩なイベントも開催され、グスクファンのみならず老若男女問わず楽しめる仕掛けが満載。かつて護佐丸や阿麻和利が立った特別な舞台は、現代文化との出会いによって、より新しい化学変化を起こしている。

      中城城跡をより楽しむための特選スポット

      知っているとさらに楽しめる中城城跡の歴史トリビア

        グスク跡のあちこちに潜む琉球の歴史を垣間見る

      • 強度と耐久性に優れた相方積みで築かれている三の郭
      • 門など一部変化している部分もあるが、面影は今も残っている
      • 南の郭の城壁にある四角い穴を探してみよう
      おすすめポイント
        歴史的な事実を知らなくても、芸術的といわれる中城城跡の築城技術の素晴らしさを楽しむことはできる。しかし、琉球の歴史をほんの少しだけでも知っていると、より深く中城城跡を楽しむことができる。時代によって異なる城壁の石の積み方や、来城したペリーの奥地探検一行が讃えた景観の美しさ、さらに種子島に伝わった銃より早く、琉球では銃が使われた痕跡など、琉球史の息吹が感じられるトリビアを紹介しよう。

      中城城跡周辺のおすすめ文化的スポット

        中城城の主であった護佐丸の墓など、中城城跡周辺に点在する文化スポットを巡る

      • 沖縄の伝統的な建築の特色がよく分かる
      • 中城城跡にほど近い、中城湾を見下ろす高台にある
      • 花と緑に囲まれた集落内には、あちこちにカーと呼ばれる井泉があ
      おすすめポイント
        中城城跡の所在する中城村や北中城村は緑豊かな土地で、昔ながらの遺跡も多く残されているため、「癒やしのパワースポット」と呼ばれている。中城城跡を訪れたなら、少しだけ滞在時間を延ばして、伝統的な琉球家屋である中村家住宅や、護佐丸の墓、花と緑に囲まれた芸術の里、大城・萩堂集落などを訪ねてみては?
  • アクセス・Q&A
    • 中城城跡への交通アクセス・施設情報

        路線バスの運行がないので、レンタカーやタクシーなど車でのアクセスが便利

      車(レンタカー)で

        那覇空港から中城城跡までは約16キロ、一般道を使用する場合は国道58号線を北上し、宜野湾市の伊佐交差点から県道81号線を経由して約50分。沖縄自動車道(高速道路)を利用すると、那覇ICから北中城ICを経由して約30分。

      施設情報

        【住所】沖縄県中頭郡北中城村字大城503

      【問い合わせ】098-935-5719(中城城跡共同管理協議会)

      【営業時間】8時30分~17時(5月~9月は18時まで)

      【休園日】年中無休

      【料金】大人400円、中・高校生300円、小学生200円
         ※保護者が同伴する小学校未就学児童は無料)
         ※20人以上の場合は団体料金の適用あり(各100円引き)

      【中城城跡の見学所要時間の目安】約30分~40分

      【駐車場】無料(100台収容)

      中城城跡のQ&A

      Q 中城城跡が栄えた古琉球とは、いつ頃の時代?
      A 古琉球は15世紀前後、琉球が南山(なんざん)、中山(ちゅうざん)、北山(ほくざん)の三つに分かれていた時代から、尚巴志(しょうはし)による三山統一を経て薩摩侵略にいたるまでの17世紀始め頃までとされる。琉球王国が海外交易で栄え、独自の文化の華を開かせた時代でもある。
       中城城跡の城主であった名将、護佐丸は、15世紀に座喜味城、中城城を築いた名築城家としてもその名を知られている。
      Q 訪ねる前に中城城跡について学んでおきたい時は?
      A 現在、ホームページにて中城城跡の動画を配信しているので、そちらがおすすめ。(//www.nakagusuku-jo.jp/)Googleのストリートビューによって中城城跡を360度見渡せるパノラマ映像や、季節を通してのさまざまなイベントの様子などが見られる。
      Q ボランティアガイドをお願いしたい時はどうすれば良い?
      A 利用は無料で、誰でも利用できるが、予約が必要。電話098-935-5719
      Q 中城城跡のユニークな楽しみ方があれば教えて。
      A ツワブキの花が満開を迎える12月下旬~1月に開催されるツワブキまつりでは、城跡で生まれ育てたツワブキの苗の無料配布がある。1月下旬からは桜も咲き始め、「沖縄の花カーニバル」が始まり、城の造形美と花を一緒に楽しむことができる。
       また、世界遺産の美しいロケーションの中で、琉球王国の伝統衣裳を身に着けて撮影するウェディングフォトも人気だ。
      Q 食事ができる場所はある?
      A 城の入り口付近、管理事務所の前に、飲み物や軽食を販売するパーラーがあり、車で5分程度のところに食事処や茶屋もある。
      Q お得な入場券などはある?
      A 1年間、何度でも入場できる年間パスポートがある。有効期間は発行日から1年間。大人1000円、中学生700円、小学生500円。
      Q 駐車場はある?
      A 無料駐車場がる。⇒レンタカーの予約はこちら
      Q 見学の所要時間は?
      A 所要時間はあくまでも目安だが約30分~40分。

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