沖縄全域の地理

沖縄の位置、自然、産業をまとめて紹介

亜熱帯地域に属する沖縄。東京からは1600キロなのに対して、沖縄最西端の与那国島から台湾まではわずか100キロ。沖縄県全体では、大小160の島を有し、東西に約1000キロ、南北に約400キロと実際の面積以上に広大だ。沖縄の自然、文化、産業もこうした地理的環境に大きな影響を受けている。

沖縄の地勢

那覇を中心として同心円を描くと、沖縄がアジアとの中継地点であることがわかる。大阪とほぼ同じ距離にマニラ、香港があり、東京とほぼ同じ距離にソウルがある。

沖縄全域と日本のマップ

沖縄の基本データ

有人島でいえば、北は「伊平屋(いへや)島」、南は「波照間(はてるま)島」、東は「北大東島」、西は「与那国島」。東西に約1000キロ、南北に約400キロもの広大な県域を持つのが沖縄だ。沖縄本島とその周辺離島を含めた「沖縄諸島」、渡嘉敷島、座間味島を中心とする「慶良間諸島」、宮古島とその周辺離島の「宮古諸島」、石垣島、西表島を中心とする「八重山諸島」、そして「尖閣諸島」とエリア区分されている。歴史、文化もこのエリアごとに色合いが異なっている。

沖縄県全体のマップ

沖縄県のデータ
■面積 約2276平方キロ
■人口 約144万7249人
■県の木 リュキュウマツ
■県の花 デイゴ
■県の鳥 ノグチゲラ(国の天然記念物)
■県の魚 タカサゴ(方言名:グルクン)
沖縄県面積比較
北海道(全国1位)
7万8420 平方キロ
沖縄県(全国44位)
2276 平方キロ
東京都(全国45位)
2188 平方キロ

沖縄の自然

1年の平均気温が22℃と温暖で年間降水量が2000ミリを超える亜熱帯気候の沖縄は、多様性に富んだ生物体系を形成している。周囲はサンゴ礁の海に囲まれ、小さな魚からザトウクジラまで生命の連鎖が営まれている。マングローブや原生林が残る沖縄本島北部や西表島の森林には、ヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなどの貴重な動物が生息する。沖縄本島では海岸線の一部が沖縄海岸国定公園に指定されているのをはじめ、慶良間諸島国立公園、西表石垣国立公園、ラムサール条約など自然保護の対象となっているエリアが多く存在する。

沖縄本島北部にある億首川のマングローブ林

沖縄の森林

沖縄の森林面積は約10万6727ヘクタールで、そのうち国有林は約3割。民有林が大半を占める。亜熱帯気候特有の植生で、本島北部には手つかずの原生林が残されている。高温多湿でもあり、マングローブの群落が数多くあるのも、日本国内では沖縄のみ。石垣島の於茂登岳(おもとだけ)が標高526メートルで沖縄の山では最も高いが、陸地面積が狭いため、急勾配な山が多い。そのため河川も短く沖縄には日本で唯一、一級河川がない。

やんばる(沖縄本島北部地域)の山々

沖縄のサンゴ特有の地形

沖縄の島々はサンゴが発達してできた琉球石灰岩で形成されている。海岸線は遠浅のサンゴ礁のリーフが広がっていたり、石灰岩が切り立った崖になっていたりと、独特の地形を作っている。長年、波に削られたためにできた景勝地の「万座毛」や、雨水が浸透して結晶化した鍾乳洞など、サンゴ礁の島ならではの現象を数多く目にすることができる。

観光鍾乳洞として人気。年間100万人が訪れる玉泉洞

沖縄の動物

沖縄には固有の動物が多く生息する。日本のガラパゴスと称される「西表島」には、多くの貴重な生物がいる。なかでもイリオモテヤマネコは国の特別天然記念物として知られている。他にも、慶良間諸島にはケラマジカ、大東島のダイトウオオコウモリ、絶滅の危機に瀕しているジュゴンなど多くの天然記念物がいる。また沖縄本島北部の「やんばる」ではノグチゲラやヤンバルクイナといった貴重な鳥類を観察することができる。八重山地方には、セマルハコガメやカンムリワシ、与那国島には固有種のヨナグニウマがおり、実に多種多様な動物がおり、沖縄は動物たちのサンクチュアリとも言える。

国の天然記念物に指定されているヤンバルクイナ(写真提供/OCVB)

沖縄の植物

常夏の島・沖縄。植物の種類が多く、1年中緑豊かで花が咲き誇っている。亜熱帯地域特有の植物のほか、沖縄固有の植物も多く発見されている。ハイビスカスは1年中、花を見ることができ、ブーゲンビレアやプルメリアといった南国気分が高まる植物も町中でよく見かける。冬の寒い時に咲き始める寒緋桜、殺菌効果がある月桃(げっとう、方言名:サンニン)、三線の棹に使われるクロキなど県民の生活に根差している植物も多い。キジムナー(木の妖精)が住むというガジュマルや汽水域に広がるマングローブなどは観光資源ともなっている。沖縄は県全体が熱帯植物園であるとも言える。

沖縄では「アカバナー」とも呼ばれるハイビスカス

沖縄の文化

海外との交易が盛んだった琉球王朝時代から育まれた沖縄の文化。神と自然が生活の一部になり、今も大切にされている伝統や風習は、沖縄の人にとっては特別なことではない。常に身近にあるものなのだ。

首里城では、琉球王朝時代の行事が再現されるイベントが数多く行われる

伝統・風習・行事

沖縄は旧暦にしたがって様々な伝統行事や年中行事が行われている。昔から伝わる神への祈り、地域の風習、家や門中(親戚)での行事、日々の生活に密着に関わる行事と、実に多くの行事がある。また、沖縄は農耕社会であり、海の恵みを享受してきたことから、五穀豊穣、大漁を祈願する祭りも多く、観光イベントとして行われるものもある。

4月の中旬~下旬に行う先祖供養の行事シーミー(清明祭)

エイサー

エイサーは沖縄のお盆の時期に行われる伝統的な芸能。お盆に現世に戻ってくる祖先の霊をお迎えし、また後世へ送るため、三線や太鼓、囃子、唄に合わせて、踊りながら地区を練り歩く。先祖供養を行う「念仏踊り」が始まりと言われている。最近は、地区を練り歩くだけではなく、パフォーマンス的な要素も加わり、お盆の時期以外でも観光イベントとして催されるようになった。8月、9月に行われる「全島エイサーまつり」には沖縄全域から各地区の青年会が集まり、趣向を凝らしたエイサーを競う。
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沖縄市で開催される「全島エイサーまつり」の様子

ハーリー

海人(うみんちゅ。漁師のこと)が豊漁や海の安全を祈願するために、サバニと呼ばれる伝統的な漁船で競い合うハーリー。ゴールデンウイークに行われる県内最大規模の「那覇ハーリー」は観光イベントとしても、盛大に開催される。これを皮切りに、県内各地の漁港や浜では大小さまざまなハーリー大会で熱戦が繰り広げられる。ハーリーの内容もさまざまで、大漁祈願を行う「御願(うがん)バーリー」、地域や職業別に競う「職域ハーリー」、女性だけのチームのハーリーなどバラエティに富んでいる。
詳しく知る(那覇ハーリー)
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航海安全と大漁を祈願し、<br>毎年旧暦の5月4日に行われる<br>「糸満ハーレー」

芸能・工芸・美術

組踊(くみおどり)

琉球王朝時代、王府が中国からの使者・冊封使をもてなすために披露された歌舞劇で、せりふ、音楽、所作、舞踊によって構成される。沖縄が日本に復帰した昭和47年(1972)に国の重要無形文化財に指定され、さらに、平成22年(2010)には、ユネスコによって無形文化遺産に登録された。組踊の多くは、狂言や能の筋書きに似ており、勧善懲悪をテーマにしている。近年は庶民の娯楽として楽しまれるようになり、集落の祭りなどでも組踊が上演される。中でも有名なのは多良間島の「多良間島の八月踊り」。

9月に首里城で行われる「中秋の宴」の様子(写真提供/首里城公園)

琉球舞踊

組踊と同じく、冊封使を歓待するために踊られたもので、「古典舞踊」として伝統を受け継いでいる。きらびやかな紅型の衣装に身を包み、優雅に踊る「女踊り」のほか、青年のりりしい姿を表現する「二才踊」などがある。古典舞踊のほか、「雑踊」「創作舞踊」があり、戦後も新しく作品が創作され、沖縄の県民に広く愛され続けている。

「四つ竹」という楽器を打ち鳴らし、花笠をかぶって踊る演目「四つ竹」(写真提供/OCVB)

三線

14世紀に中国から伝来したとされる三線。当初は王府での宮廷楽器として使われていたものが、次第に民衆に広がり、沖縄の伝統的な身近な楽器として、沖縄音楽、沖縄の生活、行事に欠かせないものとなった。音階は独特で琉球音階とも言われ、「工工四(くんくんしー)」と呼ばれる楽譜も作られるようになった。沖縄では3月4日を三線の日とし、県内では正午から各時報に合わせ、古典民謡の代表曲「かぎやで風(かじゃでぃふう)」を一斉に演奏する。

沖縄では「しゃみせん」とも呼ぶ

やちむん

沖縄の焼き物のことを「やちむん」と言い、約400年前から食器、泡盛の器として使われてきた。16世紀に入ると中国から伝来した技術を導入し、厚みのある現在の成形方法の基礎がつくられた。県内各地にあった窯を壺屋に集めたのが「壺屋焼」の始まりで、当時は王府に献上するなど工芸品として技術向上に努めていた。壺屋がガス窯に変わると、一部の陶工は読谷村に工房を移し、共同で登り窯を造った。これが「読谷やちむんの里」だ。やちむんの歴史については、壺屋にある「壺屋焼物博物館」に詳しく展示されている。
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沖縄旅行の土産としても人気が高いやちむんの器

紅型

沖縄の代表的な染色技法である「紅型(びんがた)」。紅は色全般を意味し、型に色をつけることから、紅型と呼ばれるようになった。ウコン、フクギ、アカギ、アイなどの沖縄独特の染料を用い、沖縄の自然をモチーフにした色鮮やかな染め物は、琉球王朝時代を象徴する衣装に多く使われていた。近年、さまざまな技法やアイデアによって、着物、帯などの琉装にとどまらず、小物やTシャツの図柄にも使われるようになった。紅型については国際通りにある「那覇市伝統工芸館」で紅型体験ができる。
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現代では、着物から小物までさまざまな作品が作られている

織物

沖縄には、首里織、喜如嘉の芭蕉布(きじょかのばしょうふ)、読谷山花織(ゆんたんざはなうい)、久米島紬、八重山のミンサー織、八重山上布など、島、地方ごとに特色ある織物があり、その種類の豊富さは日本有数。幾何学的な文様や、草花から取れる染料を用いるなど、それぞれ独自の技法が受け継がれている。八重山のミンサー織は5つと4つの四角の模様が組み合わさり「いつの世までも、末永く」という想いが込められている。
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糸芭蕉から採れる繊維を利用した織物「芭蕉布」(写真提供/OCVB)

沖縄の音楽

沖縄県民のソウルミュージックである沖縄民謡。古くは琉球王朝の時代に発展した琉球古典音楽があるが、地方集落で昔から唄われていた民謡を宮廷音楽としたものもある。沖縄民謡は五穀豊穣、大漁祈願の祭りとともにあり、民衆の娯楽でもあった。民謡で唄われているものには、祈りだけではなく、男女の恋愛、親の教え、役人を嘲笑するもの、子どものわらべ歌など、多岐にわたり、今も毎年数多くの民謡が発表されている。有名なものに「安里屋ゆんた」、「てぃんさぐの花」などがある。祭りの最後には「唐船どーい」に合わせてカチャーシー(踊り)するのが定番。

沖縄民謡に合わせて踊るカチャーシー(写真提供/OCVB)

オキナワンミュージック

戦後アメリカの統治下において、コザ市(現:沖縄市)や金武町などの米軍基地周辺には、米兵向けの歓楽街が発展し、ロックやジャズ、ソウルが町中に流れていた。このころ、ライブ演奏をするアマチュア、セミプロのバンドが多く生まれ、そのなかから沖縄ロックバンドの草分け的存在の「紫」が結成されるなど、多くのロックバンドを輩出した。ロックに限らず、沖縄民謡をベースにしたポップスなど沖縄の音楽は独自の発展を遂げている。喜納昌吉が全国デビューしたのを皮切りに、りんけんバンドやネーネーズといったグループが人気となり、沖縄の音楽に注目が集まった。最近は、石垣島出身のBIGIN、モンゴル800、オレンジレンジ、夏川りみなど幅広い音楽シーンで活躍するミュージシャンが増えている。

沖縄市にあるライブハウスの様子(写真提供/OCVB)

沖縄の産業

沖縄の産業は観光を中心としたサービス業の割合が高いが、亜熱帯気候を生かした農産物や海産物は沖縄の人々の生活を支え、さらには流通網の発達によって、日本全国へと届けられるようになった。

色鮮やかな沖縄の魚

農産物

パイナップル 生産量 約7770トン 日本一 ※農林水産統計より

サトウキビと並んで沖縄の2大基幹農作物として生産が盛んなパイナップル。水はけがよく、肥沃な赤土酸性土壌が栽培に向いており、沖縄では主に、沖縄本島北部と石垣島で生産されている。世界的に生産量が多いのは、タイで年間約259万トン。日本は約9000トンだが、そのほとんどが沖縄で生産されている。果物のまま食べるほか、パイナップルを使ったお菓子やお酒などバリエーションが多く、観光客にも人気がある。

ナゴパイナップルパークではパイナップルの成長の様子を見学できる

海産物

車エビ生産量 約800t 日本一

車エビが生息する適正水温は20~25℃とされ、日本では沖縄、熊本、鹿児島の3県で全国生産高の8割以上を占めている。沖縄では1970年代ごろから養殖が始まり、現在は久米島が一大生産地。沖縄本島では、北部の宜野座村、南部の南城市などで養殖されている。年間の生産量は約800トンで日本全国へ出荷されている。

あまり知られていないが、沖縄が生産量1位の車エビ(写真提供/OCVB)

モズク生産量 約1万5000t 日本一

モズクは古くから食用として収穫されてきた海藻の一種。沖縄で養殖されているのは、オキナワモズク(太モズク)とモズク(糸モズク)の2種類。特にオキナワモズクは沖縄の特産種で日本一の生産量を誇る。食べ応えがあり、三杯酢やてんぷらにして食べることが多い。沖縄ではモズクのことを「スヌイ(酢のり)」と呼ばれ、ぬちぐすい(命の薬)といわれるほど健康食として好まれている。

もずくの酢の物。沖縄県内では日常的に食べられる。

沖縄ブランドの製品

アグー豚

沖縄の在来豚・アグー。約600年前に中国から導入され、沖縄で飼われていた小型の島豚が起源と言われている。西洋種との交配が進み、アグーは絶滅したと考えられていたが、昭和59年(1984)、県立北部農林高校においてアグーの戻し交配を開始し、10年かけて以前のアグーの復元に成功した。肉質は柔らかく、脂に甘みや旨みがあると評価されている。

沖縄では「島豚」とも呼ばれる

石垣牛

沖縄・八重山で飼育される黒毛和種の石垣牛。現在、およそ3万5000頭が飼育されている。八重山の肥沃な大地と温暖な気候が畜産に適しており、以前は、仔牛として全国の有名産地に出荷されていた。平成12年(2000)に開催された沖縄サミットの晩さん会で供されたことがきっかけになり、飼育、生産を一貫して行うことでブランド牛としての認知が広がった。沖縄県農業協同組合(JAおきなわ)によって、地域団体商標として登録されている。

石垣牛のステーキ(写真提供/OCVB)

紅芋

紅芋タルトや紅芋パイなど沖縄土産の定番に使われている紅芋。16世紀初頭に中国から導入され沖縄各地に広がり、現在では、沖縄中部・読谷村が紅芋の名産地として知られている。外側は白っぽく中実は薄い紫色をしているが、火を通すことによって、鮮やかな紫色になる。そのまま蒸したり、焼いたり、てんぷらにして食する。お菓子の素材としても幅広く利用されている。

沖縄では紅芋味のお菓子も多くある。写真は紅芋ちんすこう(写真提供/OCVB)

粟国の塩

四方を海に囲まれている沖縄では、塩の精製が盛んで各島、地方でブランド塩が生産されている。沖縄では塩のことを「マース」と呼び、魚を塩だけで煮付けた「マース煮」など食生活と密接に関わっている。宮古島の「雪塩」、粟国島の「粟国の塩」などが有名。読谷村の塩テーマパーク「Gala青い海」では塩づくりの体験ができる。

ミネラルが豊富で、土産としても人気がある(写真提供/OCVB)

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