大分県では、石造物や磨崖仏(自然の岩に造られた大仏)、石橋など、“石の文化”が栄えた。特に「臼杵磨崖仏(うすきまがいぶつ)」は、全国で唯一国宝となっている磨崖仏だ。ほかにも石造物として、「財前家宝塔」や「虹澗橋(こうかんきょう)」などがある。日田や天ヶ瀬には、「大野楽(おおのがく)」や「烏宿太鼓(うしゅくだいこ)」、「豆生野神楽(まみゅうのかぐら)」などの芸能が伝わり、また中津や耶馬溪、宇佐にも「ゆたて神楽」や「所小野神楽(ところのかぐら)」、「山路踊り」などが伝承されている。県土の72%が森林のため、昔から林業が発達。中でも“日本三大美林”に数えられる日田杉は、江戸時代に代官が杉の挿し木を奨励したことに始まり、戦後から高度成長期にかけて造林が施された。別府湾や日本三大干潟の豊前海岸、リアス式海岸などの特性を生かした海産物も豊かで、クルマエビやノリ、カキ、豊の活ブリなどの養殖が行われている。「城下カレイ」や「関サバ」、「関アジ」などのブランド海産物があるほか、カボスや乾シイタケの生産量も日本一を誇る。